2011年08月07日

富士山登山記 登山編

そしゃそしゃ、富士山登山ツアーの続きです。

スタート地点の五合目から六合目までは緩やかな登山道が続くんやけど、
ウォーミングアップがてら、ゆっくりゆっくり進みます。
空模様は更に悪化し、霧雨から小雨状態に・・・。雨具も上下完全着用です。
そんな悪天候にも関わらず関わらず、さすがは富士山、次から次へと登山者がやって来ました。
明らかにその装備ではえれろー、おけよと言いたくなる登山者の姿もチラホラと。
やっぱ富士山は登山というより、一種のイベントなんやろうなあ。
やで天気悪くても、登りに来るんやろうなあってコトを思いながら、最後尾を付いていきます。
富士山登山記 登山編
富士山には馬もいます。
富士山登山記 登山編
七合目から五合目まで12000円とのコト。帰りに利用する人が出ないコトを祈るのみです。

六合目から本格的な登りが始まり、ココから山頂までひたすら登りが続きます。
登山道が砂地から岩場に変わり、狭まった付近から渋滞が始まったもんで、
富士山登山記 登山編 富士山登山記 登山編
当初の予定よりはやや時間がかかったけど、

17時30分
赤い鳥居をくぐり標高は約2900m、本日宿泊の七合目鳥居荘に無事に到着したのでした。
富士山登山記 登山編 富士山登山記 登山編
山小屋に到着してからはガイドさんの指示では無く、山小屋の人の指示が絶対になります。
ココで初めて知ったんやけどガイドさんは、各小屋に所属しており、
その力関係は小屋>ガイドとのこと。
ここでの自分の仕事と言えばガイドのアシスタントと、勝手がわからんで見守るコトでしたな。
郷に入れば郷に従えやさな。
濡れた荷物&靴をビニール袋に入れたら、着替える間も与えられず、まずはメシを食えと。
富士山の山小屋の食事はカレーが定番です。
富士山登山記 登山編
鳥居荘のカレー、なかなか美味しかった。4年前に泊った元祖室よりは間違い無く美味しかった。
しかも1杯だけやけど、お替りもできたし。満足満足。
そしてメシを食った後は、すぐに寝床に案内され仮眠となったのでした。その時刻は18時30分。
ちなみに翌日のスケジュールを決めるのも山小屋の人で、起床時間をコチラが決める権利は無く、
小屋の人が起こしに来た時間に起きろというコトでした。
さすが1年の稼ぎを2カ月で上げる富士山の山小屋、完全小屋主導の、
到着→食事→仮眠→出発という流れが、確立されていたのでした。

何時に起こされるかわからぬまま、ウトウトと仮眠してたわけですが、
後から来た登山者の話し声に仮眠を邪魔されたのには、イラっとしましたな。
ヒソヒソ声でしゃべってても全部聞こえるんやさー。
1時間近く我慢したけど、さすがに堪忍袋の緒が切れたのでした。
そんなはんちくたい出来事もあり、ほとんど眠れぬまま22時過ぎに起こされたのでした。
一応、予定では翌日は0時出発予定だったんだけど、思いのほか登山者が多く、
渋滞が予想されるので早目に出た方がいいとのコト。小屋の人の言うコトは絶対やで従います。
お客様も小屋の人に起こしてもらい、朝食弁当を受け取ったりして準備して、

23時
鳥居荘を出発したのでした。
幸い雨は上がっており、夜空を見上げると星の姿も見えたもんで正直ご来光は半分諦めていたけど、見えるかもしれんなーっと思ったのでした。
歩き始めて1時間した位で、富士山名物?真夜中標高3000mの場所での渋滞に遭遇。
富士山登山記 登山編
この後は山頂まで、ずーっと渋滞したままなのでした。
恐るべし富士山、明らかにオーバーユースです。
やもんで休み休み、往年の社会党の国会戦術「牛歩」の歩みで進みます。
休憩も大体1時間歩いて10分位のペースで取りながら進みます。休憩中の一コマ
富士山登山記 登山編
ツアーで一番大切な事と言えば人員確認やけど、この人数の多さと暗さでわかりにくいので、
難儀したけど、いいお客様ばかりで手間取るコトは無かったのでした。
上に行けば行くほど渋滞は激しくなり、須走口登山道と合流する箇所で渋滞はピークに・・・。
富士山登山記 登山編
ヘッドライトの灯りが延々と山頂まで続く、恐るべし光景です。
富士山登山記 登山編
2つあったルートが1つになるんやで混雑するのは当たり前やけど、混雑し過ぎです・・・。
全く動かなくなってしまったので、果たしてどうしたものやらと思ってたら、
伊藤ガイドが登りルートから外れて、下山ルートから登る判断を下したのでした。
富士山は登り下りルートがあり、基本一方通行なんやけどこの状況なら仕方ないでしょう。
結果、非常に好判断で混雑してることは混雑してるけど、秩序ある混雑具合で、
ここから先は、適度なペースで登れたのでした。
となると、あとは時間との兼ね合いです。あまり早く山頂に到着しても早朝の一番寒い時間帯に、
山頂で寒さに耐えながら苛酷なご来光待ちをしなくてはいけなくなるので、
4時位に山頂に到着出来るように、ペースを調整しながら登ります。
ホント、伊藤ガイド、いい仕事をしてくれました。
さすがに山頂近付くにつれ高度も高くなり、しんどさも増すので遅れ出すお客様も出てきました。
「大きく息を吐いて、なるべく立ち止まらずにゆっくりゆっくり歩きましょう!!!」
10歳の少年がでーれえらそうやったので、特に励ましながら登るとします。
みんなで励まし合いながら登り、ついに

4時
吉田ルート頂上到着!!!
なーんと10歳から73歳までのメンバー20名全員が登頂出来たのでした!!!
思わず少年に島崎三歩じゃないけど、「よく頑張った!!!」と言ってしまったのでした。
ちなみに山頂の混雑具合はこんな感じでした。
富士山登山記 登山編
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やもんで、ちょっとはぐれしまったお客様もいたけど、無事に見つかり事なきを得て、
この後の予定を話してから解散、ご来光からしばらくの間、自由時間とします。
ちょっと余裕が出来たので、証拠写真をパシャリしてもらったのでした。
富士山登山記 登山編
せっかくなので、お世話になった伊藤ガイドを剣ヶ峰をバックにパシャリ。
みんなを山頂まで導いてくれて、ホントありがとうございました。
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みんながご来光に集中している間に、ささっと朝食を喰らいます。
ちょっと寂しい内容のような気もするけど、十分やさなー。
富士山登山記 登山編
肝心のご来光は、雲が微妙に邪魔をして一瞬しか見えなかったけど、
前日の雨のコトを思えば十分やったさー。ホント雨が上がって晴れてくれてよかったです。
富士山登山記 登山編
ご来光も無事に見え、明るくなったトコで周囲を見渡すと、改めて人の多さにビックリです。
富士山登山記 登山編
山頂には1時間30分程滞在。みんなに十分満足してもらったところで、

5時40分
下山開始です。
富士山登山記 登山編
天気も良く、雲海を眺めながら下るとします。
富士山登山記 登山編 富士山登山記 登山編
山頂方面を振り返ると青空も広がってました。
それにしても、ようあんなトコまで登ったもんやさな。
富士山登山記 登山編
下山時は途中の吉田・須走ルートの分岐までは団体下山。
ココを間違えると地獄の苦しみを味わうコトになるんやさなー。
4年前、大学の後輩と富士山に登った時にココで間違えてだいぶ下ったトコロで気付き、
地獄の登り返しをしたという忌々しい出来事を、今でも鮮明に覚えとるでなあ。
そこから先は自由下山です。
登山は登りよりも下りの方が明らかにシンドイので、早い人はさっさと下ってまうけど、
遅い人はかなりシンドそうなので、自分と伊藤ガイドが一番後ろからサポートしながら下ります。
足場の悪い砂の上を、雲海を眺めながらジグザグジグザグ下ります。
富士山登山記 登山編
どうしても立ち止まって休みが多くなりがちなので、
「休むなら下山してから休んだ方が高度が低くて楽ですよー」
等と励ましながら歩いてもらいます。
遅いとはいえ普通に良いペースで下れ、六合目位まできたトコロでようやく目処も付いたので、
後を伊藤ガイドに託し、一足先に下山したのでした。

9時10分
富士スバルライン五合目到着。
この頃には、五合目はガスで真っ白で富士山の姿はおろか景色は全く見えなかったのでした。
富士山登山記 登山編
やはり山の天気は変わりやすい。
仕事でなければ、この時点で行って来ましたーあとは帰るだけやさーっと一息付けるんやけど、
あくまでも仕事なので、やるべきコトは沢山あったんやさな。
集合時間を10時にしていたので、10時までの50分の時間を利用して、
ドライバーさんと打ち合わせ・バス降車場所の係員と打ち合わせ・団体写真屋さんと打ち合わせ、
お土産車内販売をしてたので、お土産をバスに搬入等と、休む間も無く働き、
ギリギリ10時の集合時間に何とか自分も間に合ったのでした。
お客様も全員、10時の集合時間に間に合ってました。良かった良かった。
みんなの顔を眺めると、どなたも満足した表情です。ホント良かった良かった。
最後に2日間、大変お世話になった伊藤ガイドにお別れの挨拶をして頂いて、
名残惜しいですが、帰路へ就いたのでした。

帰りは途中、河口湖で入浴&昼食をした以外はひたすら走れ走れで高山へは17時頃到着したのでした。ちなみに帰りのバス車内、お客様はほぼずーっと爆睡だったのでした。

こうして初めての富士登山ツアー添乗員の仕事は、怪我無く事故無くツアー参加者20名、
全員登頂に成功という、我ながら完璧な仕事をして無事に終了したのでした。
お客様も全員、でーれ頑張ったし、伊藤ガイドの素敵な導きのおかげでもありました。
いいお客様&ガイドさんに恵まれてホント、ラッキーでした。ありがとうございました。
(たまに、頭が混乱して佐藤さんと呼んでましたが・・・、お許し下さい)

今回の仕事は、今後登山をする上でも仕事をする上でも、
ホント色々な意味で非常に勉強になった仕事でした。
これで、また少し人間としての幅が広がったかな。
いい経験をさせて頂きました。











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Posted by 山ちゃん at 23:11│Comments(2)2011年
この記事へのコメント
感動しました!!
すごいね、3000m地点を牛歩はつらいよぉ。

もっとすごいのは、
山小屋での忍耐だね。

僕にはできないなぁ・・・。
Posted by 宇都宮のY川 at 2011年08月09日 23:56
宇都宮のY川くん
3000mの牛歩は富士山名物です。
仕方がないです・・・。

山小屋での忍耐は、ちょっと耐え過ぎたかな・・・。
さすがに限界でした。
人のふり見てわがふり直せで、
自分も他人に迷惑をかけないように気を付けねばと思いました。
Posted by 山ちゃん山ちゃん at 2011年08月10日 22:25
 
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