2010年06月10日

薬師岳登山記

最近、夜は飲みが続いたもんで(誘われるうちが華やでなあ)、またまたちょっと時間が経ってまったけど、先週の金曜日6/4に行ってきた薬師岳登山記です。
薬師岳登山記
今回の登山は、久しぶりに我が山の師匠「雷鳥屋」さんと二人で行って来ましたー!!!

ちなみに薬師岳の登山口は富山県の折立という所で、そこへ辿り着く為には、
有峰林道という有料道路を通らざるをえません。
しかし、有峰林道は6時~20時の間しか通行出来ないんです。
普通に考えれば朝一番で行くしかないかなあって思うトコなんやけど、
せっかく日が長いこの時期、このメリットを生かさない手は無いと思い、
前日夜に登山口に入り、車中泊して翌朝早くから行動しよう!!!
そして帰りは富山で温泉入って、ラーメン食べて帰ろう!!!
という、いつもの時間を有効活用しての登山&温泉&ラーメンコラボ満喫計画を立てたのでした。
前回「御嶽山」は29時間1泊2日だったけど、今回は26時間1泊2日旅行でした。
はじまりはじまり~!!!

前日18時頃
雷鳥屋さんをお迎えにあがって、有峰林道の料金所「飛越トンネル口」まで向かいます。
料金所は5月に登った北ノ俣岳登山口のすぐ先なので、そこまでの道中は慣れたものです。
その際は倒木の為、途中で通行止めになっていたけど、さすがに林道開通したので倒木の姿は跡形も無かったです。ありがたやー(当たり前やな)

19時40分
なんとか20時のゲート封鎖前に到着。
当然ながら料金所のおっちゃんに怪訝な顔をされたけど、一言
「登山するもんで、折立まで前日入りするんやさー」
と言ったら納得してくれたみたいです。林道を30分程走って、登山口の折立に到着。
この日は星空がでーれキレイでした。
誰もいないかと思ったけど、キャンプ場が有り、キャンプをしている人達がいました。
夕飯を喰らい、ビールを飲んで明日に備えるため、早々と就寝です。もちろん、すぐに爆睡です。
薬師岳登山記
翌日は3時30分頃に起床して、朝メシを軽く喰らい、出すもの出して準備完了。

4時10分
登山口出発!!!起きた頃はまだヘッデンが必要だったけど、この時間にはもう不要。
明るいのはありがたいっ!!
登山口には昭和38年に起きた愛知大学大量遭難、慰霊の十三重塔があります。(下山後撮影)
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それをパシャリしたら怪しい白い煙みたいなものが写ってたので、恐れ慄いて、慌てて削除。
幸先不安な始まりです・・・。
登り始めから1870mの三角点までは、樹林帯の中、急坂歩きが続きます。
水芭蕉が咲いてたり
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残雪があったりと、なかなか変化に富んでいて面白い。
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ただ、樹林帯の残雪歩きは赤布等の目印も、ほぼ皆無だったので
ルートファインディングにやや手こずりました・・・。
そして三角点まで出た所で、初めて本日の目的地「薬師岳」とご対面です。
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太陽がでーれ眩しい、天気上々&薬師岳でーれデカイし遠い・・・。先は長いので急ぎます。
この先、少し歩いたら森林限界を超えたみたいで眺望が開け、
非常に良く整備された緩やかな石畳・木道歩きが太郎平小屋まで続きます。
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まさに天空遊歩道。残雪を踏みしめながら、でーれ快適に歩けます。天気も相変わらず上々。
北ノ俣岳をバックにパシャリ
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有峰湖をパシャリしながら、進みます。
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小屋まであと少し
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そして歩き始めから3時間半

7時40分
太郎平小屋到着です。そこには、北アルプス奥地の絶景が待ってましたー!!!
まず目の前には、城壁のようなカールを持った黒部五郎岳の姿が
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すこし左に目をやると黒々とした双耳峰の水晶岳の姿が
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そして小屋の目の前には目的地薬師岳の姿が、先程よりかなり近づいてそびえ立ってました。
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贅沢だ、でーれいい景色。初めて太郎平小屋に来たけど、なかなかなロケーションです。
ここで小休止。そしたら小屋番さんが出てきて一言
「小屋明けしてから最初のお客さんですよー」っと。
なんと薬師岳という有名な山なのに、今シーズン初めてとは、意外や意外!!!
不思議に思ったのでもうちょっと話をしたら何でも、
有峰林道の富山県側道路が崩壊してて通行止めの為、例年よりも少ないとの事。
???
まてまて、って事は帰りは富山県側に抜けれない。
そしたら富山でラーメンを食べて帰るという計画があああ、いとも簡単に破綻してしまった・・・。
その事実を、ここで初めて知って、少しだけショックを受けてしまったのでした。
更に言うならば料金所のおっちゃん、何故に教えてくれなかったのだーっと思ってしまったのでした。
しかし、気持ちを取り直して先に進む事にします。
切り替え切り替え、一番の目的は何と言っても登山やでな。
小屋番さんに、この先の雪の状況を確認し、帰りにビールを飲みに再び立ち寄る約束をして

8時05分
太郎平小屋出発。しばらくは、快適な木道歩きです。
薬師岳登山記
この先は、ひたすら薬師岳を真正面に眺めながら進みます。
峠を越えないとだしかんので、一回下って、そこから急な登り返し。
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この後は、残雪上のひたすら登りになりました。ここの登り初めが、なかなか急でした。
まあ、時間も十二分にあるので休み休み、残雪上をルートファインディングしながら、
ゆっくりゆっくり進みます。登りは、でーれエライっす・・・
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残雪も多く夏道も全く見えないので、ただただ薬師岳方面目指して真っすぐ進みます。
ただ、空はもの凄く綺麗な青空のまんまです。
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途中から結構な急登になったのでアイゼン装着。ピッケルも相変わらず役に立ってくれます。
また、槍ヶ岳の姿もバッチシで、高度を稼いでいるのがよくわかります。
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てっきり薬師岳だと思っていたピークは巻いて、今度はまた異なる景色が見えてきました。
薬師岳と言えば、何といっても天然記念物にもなっているカール。そうカールの景色です。
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なかなか急なカールで、こんなところ滑落したらどこまでも落ちてくんやろうなー。雪もまだまだ深い。
緩やかになった残雪歩きをすこししたら、ようやく稜線に出ましたー。
稜線は雪も溶けてて夏道も出てたので、ここでアイゼンとはさようなら。
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アイゼンをデポして先を急ぎます。北アルプスの絶景をバックに
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少し歩いたら薬師岳山荘に到着。新館を作るかしらんけど、工事してました。
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こんな高所での工事、お疲れ様です。

工事の邪魔にならないように、ささっと通り過ぎ、再びひたすら登りです。
ここを登り切れば頂上なのかな?なにか建物らしきものも見えるし。
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この登りは何となく、乗鞍岳を彷彿とさせました。登りは苦手なので、師匠の姿が徐々に遠くへ。
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ようやく登り切ったけど、残念ながらまだ頂上ではなかったです。
ちなみに建物らしきものの正体は石室でした。
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近くには立派なケルンも。
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ここまで来てようやく薬師岳の頂上の姿が見えました。但し、徐々にガスってきた・・・。
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まだ夏には早いけど、この感じ、夏の天気みたいだ。先を急ぎます。
そしたら師匠が立ち止まっていました。静かな声で「雷鳥おるよー」っと
やはりガスると雷鳥が出ますなああ。しばし雷鳥に癒されます。パシャリパシャリっと。
薬師岳登山記 薬師岳登山記
頂上まではあと少し、そして折立から歩くこと実に7時間
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11時00分
薬師岳到着!!!かなり遠い道のりでした。
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薬師岳には薬師如来が祀ってあるので、拝まなければ
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肝心の眺望は残念ながら立山・剣・後立山連峰方面はガスってて、いまいち。
だけど、槍ヶ岳方面はバッチシなので、しばらくは眺望に癒されるとします。
しばらくボーっとしていたら、単独の登山者が登っている姿が目に入り、
少したったら、到着したので何時から登り始めたのか聞いてみました。そしたら驚愕の答えが。
なーんと、その方は朝の7時に折立を出たとの事。
自分らが7時間かけて辿り着いた所を、その方はなんと4時間強で着いたのでした。
でーれスゲー、この人はっと思い、しばしおしゃべりを。
その方は黒部から来た方だったので、勝手に黒部の天狗さんと名付けました。
記念に一緒にパシャリっと。
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その速さ、まさに天狗そのもの、スゲースゲー、ただただ驚嘆してしまったのでした。
しばらく粘ればガスは晴れないかなあという淡い期待も虚しく、
一向に晴れる気配はないので諦めて下山するとします。

11時50分
下山開始。下りは毎度の事だけど早い早い。体重が有る事の唯一のメリットかな?
下りは残雪がある個所は残雪を利用して下ります。残雪下りはでーれ早いです。
タッタカタッタカ下れます。
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途中、多分登りで見たのと同じであろう雷鳥がおったもんで、
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雷鳥眺めながらゆっくり下っても、40分位でアイゼンをデポした場所に到着。
ここから小屋までもずっと残雪下りなので、更にスピードアップしたんだけど一か所、
登って来た時はそんなに急には感じなかったんだけど、でーれ急な下りが・・・。
ようこんなところ登ったなあ、我ながら感心してしまいます。
いえいえ、感心してる場合じゃなくって下りなければ・・・。どうしよう。
ここで、ピッケルがでーれ役に立ちました。
クライマーよろしく、ピッケルを雪面にぶっさして(これがまたよく刺さるんやさなあ)
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後ろ向きでそうそと下りて、事なきを得ました。
その後は再び小屋目指して、ただひたすら雪上歩きです。
薬師峠の登り返しが、ちとしんどかったけど

13時25分
太郎平小屋到着。いやー、でーれ疲れた。
ここで大休止という訳で、行きで約束した通りビールを購入(500円也)して、アルコール燃料補給。
ちょっと軽い高山病で頭痛がしたけど、そんなことはお構いなしにゴクゴクっと。
薬師岳登山記
でーれうめー。やっぱり自分で言うのもなんやけど、ビールを飲んでる姿が絵になる山ちゃんです。
師匠は、ここではダウンしてました。30分程休憩した後、登山口へ向けてラストスパート。
下りは2人とも体調があまりすぐれなかったので、口数も少なく黙々と下ります。
たまーに休憩したりして
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ひたすら下ります。
行きは、凍みてて歩き易かった登山道も、この日は暖かかったので午後には緩んでしまい
一部登山道は沢と化していました。
北ノ俣岳の悪夢よ再び。やはり、ご近所のお山なので基本的には同じ地質なのでしょうか?
ただし北ノ俣岳ほどひどくはなかったので、ここの登山道は長靴は不要ですな。
沢になった登山道をクリアした後は、再び乾いた登山道を黙々と下り

16時05分
実に約12時間かけて、登山口に戻って来たのでしたー!!!
薬師岳、なかなかタフな山でしたー。
結果から言うとこの日の山ちゃんの実力だと、朝のゲート開通に合わせて登ってたら
ギリギリ時間との闘いになる山だったので、前日入りしたのはいい判断でした。

帰りはせっかくなので有峰ダムを愛でます。
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何気に、ダムが好きな山ちゃんです。
とりわけ有峰ダムは、アクセスが厳しいのと形が大きなS字を描く独特の堰堤をしている
非常に個性的な点が惹きつけられるんやさなー。
その後は、富山県に下ってラーメン食べる計画が頓挫してしまったので、
しゃーないので、再び同じ料金所をおっちゃんに手を振りながら通り
飛越トンネルを抜けて山之村に出ます。途中、笠ヶ岳の雪形をパシャリして
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神岡町の割石温泉に入りに行きます。
割石温泉は入ったあとポカポカするし、地域密着というか地元の爺ちゃん婆ちゃんの為の温泉って
感じがアットホームで何気に好きな温泉です。あと料金が400円と安い!!!

そして、先日アップしたように国八食堂で大量に喰らって20時頃、高山に帰ったのでした。
今回の26時間1泊2日登山も、なかなか充実した内容を満喫できましたー!!!

高山発18:00

登山口4:10
太郎平小屋7:40/8:05
薬師岳山頂11:00/11:50
太郎平小屋13:25/13:55
登山口16:05

高山着20:00

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Posted by 山ちゃん at 18:31│Comments(4)2010年
この記事へのコメント
大作ですね~すごく伝わってきます^^
写真もきれいですが実際行って見る景色は格別でしょう!
山で飲むビールも!
Posted by 黒幕黒幕 at 2010年06月11日 01:58
山ちゃんこんばんは~
たいへん参考になりました。7月に行こうと思います。
ところでらいちょうさんは山ちゃんの師匠ですか?
Posted by なめこ at 2010年06月11日 21:04
黒幕さん
おはようございます、先日は楽しい時間をありがとうございました。
カラオケにはでーれ驚いてしまいました・・・。
長い長い登山記にお付き合い、どうもです。
やっぱ、写真では実際の景色は伝えきれないですね。
実際の景色は格別です。
山で飲むビールも、もちろんです。

ぜひ長野、登山&ラーメンツアー実施しましょう!!!
Posted by 山ちゃん山ちゃん at 2010年06月12日 05:40
なめこさん
おはようございます!!!
参考になれば、何よりです。
気を付けて、楽しんで来て下さい。
7月からは富山県側の小見川線やったかな?が開通するみたいなので
そちらからアクセスすれば、早く登山口に着くと思います。

「らいちょう」さんは雷鳥屋さんという方で、お師匠さんですよ。
Posted by 山ちゃん山ちゃん at 2010年06月12日 05:44
 
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