黒部五郎岳 2日目

山ちゃん

2009年08月28日 18:58

昨日は西穂高岳行ってと、最近は休日の度に一人で山に籠りに行く、そんな生活をしています。
西穂高岳登山記を書く前に、先日行ってきた黒部五郎岳の続き、2日目です。

ではでは

2日目は、周りがガサゴソガサゴソうるさかったもんで、その音でお目覚めです。
時計を見たら,まんだ4時頃。山の朝は早いって言いますが、いやー、皆さん起きるの早いっす。
山ちゃんが目覚めた頃には、ほとんどの布団はたたんであって朝食、食べたらすぐにGOってな感じで、皆さん準備万端です。
団塊の世代タフです。
眠いなあと思いつつ、朝食が4時30分からなので、気合を入れて起きる事とします。
朝食はこんな感じ

おかずも、たくさんありなかなか食べごたえがあります。
周りの人が相変わらず、おかずやら海苔をくれるので(嬉しい事です)、ご飯を3杯おかわりと。朝からがっつり食べてしまいました。
我ながら、よく起きて15分後にこんなにがっつり食べれるもんやなあと、感心というか呆れてしまいます。
その後は、食べすぎてえらかったもんで(自業自得)ちょっと横になってから、出すもん出して準備万端。

5時15分
2日目のスタート。今日は、黒部五郎の頂を踏んで、新穂高まで帰るという長い長い1日です。
普通の人の場合は、明らかに計画に無理があるような気が・・・
ちなみに黒部五郎に登るには2つルートがあるけど、カールコースから向かう事とします。


ひたすらカールを眺めながらの、贅沢な登山です。
日本百名山の著者、深田久弥はよく言ったものです。
「そのカールは、まるで、巨人がその巨大な手で掘ったような・・・」
なんとかって、確か書いてたはず。
うろ覚えなので、適当です。
しかし、まさにその巨大なカールはそんな感じでいつまで見てても、飽きません
天気も上々、視界も良好。

憧れの山に向かって歩き始めます。
でーれー楽しいし
途中、かの有名な雷岩も発見したのでパシャリっと。

雷岩を過ぎた頃から、登山道は稜線に向けての急登となります。しかし、目的地がはっきりと見えているので順調に歩けます。
そしたら、途中で雷鳥発見。今回、唯一見た雷鳥でした。
母鳥と雛が2羽です。
近づいても逃げないので、でーれー至近距離からパシャリっと。

景色に癒され、雷鳥に癒され最高です。何もかも忘れさせてくれます。
カールも遠くから見ると緩やかだけど、近くで見るとなかなか急です。

そして稜線に出た瞬間、視界が広がり北ノ俣岳が見えました。

目的地はどんどんどんどん近付いてきます。

そしてついに、ついに、ついに、ついに・・・

6時50分
今回の最終目的地、黒部五郎岳到着です。

遠かったー、長かったー、えらかったー、着いたー
全てが報われる瞬間。
景色最高。360度ぐるり見渡せます。山でーれー見えます。
近くには、薬師岳・笠ヶ岳・赤牛岳・水晶岳・鷲羽岳
ちょこっと離れたとこには、槍穂高・乗鞍・御嶽・立山・剱岳
遥か彼方には、白山・後立山連峰
などなど、立派なお山がでーれー見えます。
贅沢過ぎる、この景色。ただただ
「スゲースゲー」
を連発してました。ちょこっと落ち着いたところで、コーヒー飲んで更にボーっとします。
まあ、時間が許すのならばいつまでも居たい、そんな場所だったけど遠い遠い帰り道が待っています。
やもんで、山頂の滞在時間は30分程で切り上げ、長い長い帰り道に就く事とします。でーれー遠いです。
まずは、小舎に戻る事からです。
帰りは、稜線コース通ります。こうすることによって、巨大な黒部五郎岳をぐるりと1周歩く事になるのです。
稜線コースは前半は岩がゴツゴツ急な道、後半はなだらかな道っと2つの姿を楽しめました。
タイマー使って写真を撮る余裕も有、まだまだ元気です。

こちらからのカールの眺めもなかなかです。

8時40分
黒部五郎小舎到着。コーヒを注文して一息入れ、これからの登り返しに備えます。
さらば、黒部五郎小舎&黒部五郎岳。
食事もいっぱい食べれたし快適に眠れたので、なかなかな山小屋でした。

いつか再び、訪れたいものです。
その時は、五郎小舎に連泊して、のんびりしたい!!!。
そんな気持ちを、黒部五郎岳は俺に抱かせてくれたのでした

名残惜しいけど、さて、帰るとしますか・・・
ここから、三俣蓮華まで恐怖の登り返しの始まりです・・・
だけど昨日は、ガスってて見えなかった景色を見ながら歩いていたら、

なんか知らんけど恐怖の登り返しは覚悟していた程、しんどくなく登れてしまいました
俺のポテンシャルが上がったのか、はたまた先日の鹿島槍ヶ岳日帰りクレイジー登山で経験した、爺ヶ岳への地獄の登り返しで体力(耐力)がついたのかなあと思ってしまうほど意外な程、順調に登れてしまったのでした。
登り返しの限界値がかなり高くなったみたいです。
かなりの辛い事・しんどい事を経験してしまったら、あの時のことを思えば・・・ってな思考で、耐えれるみたいです。
人生も一緒やな?

途中、単独の人に会ったので、笠ヶ岳をバックに撮ってもらいました。

その方は10日間程、黒部に籠っているという実にうらやましい方なのでした。
いつか、テン泊で山に行ってみたいなあとも思ってしまいます。
それから、たまたまこんなシーン、ヘリが荷物を下ろす姿もパシャリ

10時35分
再び三俣蓮華岳到着。今日はいい天気で、景色もバッチシ。

去年は三俣山荘から三俣分岐への登り返しでヘロヘロになってしまったので、それを考慮に入れて、事前の予定では、ここから双六小屋まで巻道使って、なるべく登りは少なく楽に帰る(それでもしんどいんやけど)つもりでいたんだけど、意外に元気です。
やもんで、頭の中にある考えが浮かびあがってしまいました。
それは、天気もいいし体の調子もよさそうやし予定よりも時間的に順調やし余裕があるで、もう1回、双六岳登っちゃおうかなってな考えです。
ちょっとだけ、悩んだけどこの好条件を生かさない手はないです。
自らしんどい方へと、選んだのでした。
Mです。どMです。決めた以上はこの選択が、後々後悔する事にならないようにーっと、心の中で祈り、双六岳への道を進みます。だらだら登りなので、得意な道です。
先行する登山者を、次々と抜き去り順調に歩きます。
全然しんどくないです。まだまだ、足が進みます。

11時40分
再び双六岳到着。やっぱり、いい景色。というわけで、この選択は今のところ、間違いではなかったみたいです。
黒部五郎をバックにパシャリ

山頂には外人さんが居たので、
「どっから来たん?」
聞いてみたら、まあなんと
「スウェーデンから」
との答えが。いやー、よくそんな遠い所から、おいでんさったもんです。改めて、高山に住んでいる事に感謝!
さてさて、今度こそあとは下るのみです。槍を見ながら歩きます。

12時30分
双六小屋到着。お昼ごはんとします。カレーヌードルを喰らいます。ごはんを食べれるって事は、余裕がある証拠ってのが、クレイジー登山を繰り返すうちにわかってきました。
この時間に双六小屋まで着けば、余裕で新穂高に帰れる目処が付きました。とりあえず一安心。やもんで、のんびり休んでから、次の目的地、鏡平小屋へ向かいます。槍ヶ岳がどんどん近づいてきます。午後になったけど、景色はバッチシ。
相変わらずセルフタイマーで写真を撮る余裕有

まんだまんだ、元気です。一体、俺の体はどうしてしまったんだろう・・・
何かが、壊れてしまったのでしょうか?

14時30分
鏡平小屋到着。
さすがに、この時間になるとガスって来て眺望は今一です。
小屋は、本日宿泊する中高年の方でなかなか賑わっており、テラスのベンチも混雑してます。
ちょっと休みたかったので、相席する事に。
当然、相席した人と軽くおしゃべりをするんだけど、大阪から来てた老夫婦で笠に2泊3日で登る予定とのこと。
しゃべっているうちに仲良くなり、また例の如く
「兄ちゃん、これあげるで新穂高まで頑張ってな。」
と言われ、沖縄の黒糖のお菓子をもらったのでした。
相変わらず、不思議なほど、食べ物をもらえます。よっぽど腹が減ってるように見えるんかな?

さあ、あとは小池新道を下り新穂高に戻るだけです。
長かった行程にも先が見えてきました。
そして、今回1番辛かったのが、ここからなのでした。
さすがにとうとう、足が止まってしまったのでした。下りやで良かったけど、これが登りだったら絶対に動かないよなあと思うほど、足が進みません。ここで、初めてへろへろになってしまったのでした・・・
距離以上に長く感じます。
下りがこんなにしんどかったのは初めてや
途中、秩父沢っていう沢があるので、そこまで行けば冷たい水でリフレッシュできると、頭の中は秩父沢の事だけ考え、気合で下ります。
沢の水音がようやく聞こえ、やっとの思いで秩父沢到着!
思わず、奇声をあげます。
ここで、水浴びをして生き返りました。
あとは20分程、登山道を下り

16時30分
小池新道入口到着。
ここから先は、林道歩き。(クールダウンですなあ)
師匠は林道歩きが大嫌いですが、山ちゃんはそんなに嫌いではないです。
1時間ほど、お散歩気分で(もう気楽です)林道を歩き
お約束の写真も撮り(いつ見ても、卑猥だ)

17時30分
新穂高到着。
長い長い2日間が、ここに終わりを迎えたのでした。体の方は、膝がやや痛いのと、かかとが靴擦れ起こした以外は何故か余力が残っています。俺の体は、丈夫ですなあ。
新穂高には、地元のタクシーのドライバーさんがおって
「兄ちゃん、どこまで行くんやな?」
っと客引きしてきます。
「地元やさー、車で来とるでだしかんさー。無料駐車場まで、乗せてもらおうかな?」
っと、軽口をたたく余裕まであったのでした。
その後、ドライバーさんと世間話をしばらくし(やっぱり奥飛騨も景気は悪いみたいです。まあ、ある意味同じような仕事ですから、気にはなります)
無料駐車場まで、歩いて戻り、今度こそホントに終了です。
いやー、今回の山行きは、かなり大満足なのでした。
でーれー充実の2日間でした。
しばらくは、長い距離を歩く山行きはいいです。やもんで、昨日は西穂高に行ってきました。
しかし、今回の山行が余力があったので更なるしんどい山行、かねてより密かに心に抱いている「赤牛岳1泊2日」がやれるのではという、希望が持ててしまったのでした。
クレイジー登山(どM登山?・自虐登山?・特攻登山?・修行?)はどこに向かっていくのでしょうか?
自分では、わからないっす。

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